「話す」ことと「描く」ことと。
- spaceonedrop
- 2023年7月7日
- 読了時間: 2分

先日、不定期で開催しているカサンドラ・ピアトーク&アートの回がありました。
いつもはお話会からスタートするのですが、今回はアートから始めることに。
お話をしたり他の方のお話を聴いたりして想いを共有する体験を通して、自分の中の疑問や罪悪感や孤独が軽くなったという感想がよく聞かれます。
さらに、そこにアートが加わることで、
・頭の中だけでぐるぐる考えていたことが、視覚化することによって全体像が見えたので自分の中で理解が深まった。
・「なんとなくこんな感じ」ということは考えていたが、それを色や形や素材を通して触感を具体的に表現することで「ここはこういう感じだったのか」と具体化されてスッキリしました。
・いつも堂々巡りで「もういいや」とあきらめたってさっき話しましたけど、自分は本当はこうしたいんだなってことがわかりました。
などなど。
私が思うに、「話す」というのは”意識”からの発信。
意識とは、知っていること、聞いたことがあること、経験したことから学んだこと、
など、これまでの経験を踏まえて考えたこと、感じたこと、学んだこと、そしてその中から印象に残っているごく一部の部分。
分析心理学を創設したカール・ユング氏は、意識の部分は人間の全体の3~10%であると唱えています。
一方、「描く」「イメージする」「表現する」というのは”無意識”からの発信。
無意識とは、既に知っているはずだけれども忘れてしまったこと、自分の中に眠る可能性のような未知な部分、人類に共通する普遍的な事象、そういったものがあると言われています。
これは、前述の意識に対し、90%程度を占めると言われているのです。
「話す」ことを通して聴いてもらって受け止めてもらう体験はとても大切です。
そこにアートが加わると、より理解が深まったり、「考え」ではなく「気持ち」に繋がる発見があることも。。。
参考:河合隼雄(1976)「ユング心理学入門」培風館